ハスの実の穴

ハスに構えたハスの実の、穴からミョーと書き連ねてみたい チョコットぶらっく。

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女の道・・(常盤御前のように)

『女の道・・(前編)』より続く


噂を聞きつけた

何人かで

沙希の夫の、お葬式に行った。

ぬかるみを歩いているかのごとく

足取りは重かった。

仲間の半分は、仕事に夢中で

まだ結婚もしていない。

3人の子どもを抱えた

未亡人に

何と声をかければいいのだろう?

黒い服を着た人だかりの中に

沙希の顔が能面のように

ぼう・・と浮かんでいた。

蛇の腹のように

生白い、涙の枯れた顔だった。

暑い中

絽の黒の着物が透けて

沙希の細い肩をいっそう

不憫に、頼りなげに見せる。

華奢な首がふるえていた。

わたしたちに気づき

一瞬目が潤んでみえたが

すぐぼんやりとした焦点は、遠いところに移された。

打ちひしがれた姿は

女の目からも

ぞくっとするほど

色っぽく

うなじが、白い指先が、少し乱れた髪が

不謹慎なことに

誘っているかのようにさえ見えた。

夫を亡くした女が魅力的だというのは

本当だったのだ。

事実

そのとき既に、彼女に熱い視線を送っている人物がいた。

私たちが気に病むこともなく

1年後、沙希はその男性と再婚することになる。



源義朝の愛妾だった、美人で名高い常盤御前。

平治の乱で夫を失い

平清盛に命乞いし

自分と子どもの生きる道を確保するため

敵将・清盛の子を産んだ。

人生の流れに身を任せ

生き抜くことを選んだ。



いつからなのだろう。

従順しい平凡な女の子だった沙希は

同級生の私たちと

女として、母として、

一線を画した"道"を歩いていた。

彼女のお腹の中には

再婚相手の4番目の子供が

もう宿っている。


●毎日くりっくしてくれなきゃ泣いちゃうん!→blogランキング。

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  1. 2005/07/24(日) 00:14:40|
  2. 男と女
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